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『北海道の秋に魅せられて』
シーニックバイウェイ北海道
http://www.scenicbyway.jp/
シーニックバイウェイ広報紙SCENE(シーン)秋号
2007年9月5日発行
部数:25万部
許可をいただき、コラム全文を掲載させていただきます。
北海道の秋に魅せられて~田澤由利
10年前の秋、私は夫の転勤で北見に引っ越すことになった。北見はもちろん、北海道にさえ知り合いはいない。目前に迫る、体験したことのない厳しい冬。5歳、2歳、5ヶ月の幼子を抱え、私はこれから北海道で暮らしていけるのだろうか。
「当機はもうすぐ女満別空港に着陸します」飛行機のアナウンスが流れた。窓の外に目を向ける。そこには、言葉では言い表せないほど美しい、緑と黄のパッチワークの大地が広がっていた。そう、不安いっぱいの私を最初に迎えてくれたのは、「北海道の秋」だった。
こうして私の北海道での暮らしが始まった。黄色い銀杏並木の通りを曲がると、真っ赤なナナカマドの木々が目に飛び込んでくる。カラマツの淡い黄色に染まる風景は、どこを切り取っても油絵のよう。休日に夫が持って帰ってきたゴルフの参加賞は、鮭一匹(笑)。不安など感じる暇もないぐらい、驚きと感動の毎日が続いた。
北海道の秋は短い。しかし、木々の葉っぱは、その分より色鮮やかに存在を主張し、より美しく変化する。ここには「紅葉の名所」などない。どこに行っても、どの道を走っても、鮮やかに秋色に染まった景色が迎えてくれる。収穫されたばかりのジャガイモや玉ねぎ。新鮮な鮭やイクラ。この季節でしか味わえない味覚が、「北海道の秋」をより魅力的にしてくれる。
すっかり「北海道の秋」に魅せられた私は、仕事中でも紅葉を楽しめるよう、オフィスの庭に1本の広葉樹(ヤマボウシ)を植えた。そして気がつくと、私が一番好きな季節は「秋」になっていた。

【作成日 2007/11/01】