株式会社ワイズスタッフ
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テレワークという糸

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▼テレワークを知ったきっかけ
「テレワーク」という仕事の形があることは、以前から知識として知っていました(企業の在宅勤務、SOHO等)。テレワークは知っていましたが、私自身は、同僚とワイワイ仕事する事が好きでしたので、家にこもって一人で仕事をするような働き方には興味がありませんでした。

私は漠然と子どもを出産したら子育てに専念したいと思っていましたが、大学卒業後、就職してみると、周りの人に恵まれ、楽しくやりがいを感じていました。主人も共働きを望み、またその他の事情もありましたので、産後も育児休暇後職場復帰を選択しました。上司にも恵まれ、復帰後も大切に処遇していただきました。

しかし、気管支が弱い長男は再々熱を出しました。復帰後半年ほど経った時、風邪をこじらせて肺炎で入院したのをきっかけに、本当にこのままでよいのかと悩むようになりました。長男が入院する前後は、頻繁に休んで仕事のことなど頭にないような状態でした。周りにも迷惑をかけました。もともとは子育てに専念しようと思っていたし、結局復帰後1年で退職しました。

子育てというのは、ご飯を食べさせて服を着せて寝かせるだけでなく、幼い心に寄り添うことです。子育てを経験した今の私なら、まわりに感謝しながら仕事を続けつつ、幼い心に寄り添っていくことができると思うのですが、あのころは本当に未熟な頼りない母親でした。

退社してから、ここでは書ききれない様々な思いがありました。子育てにじっくり向きあえた充実感と幸福感を感じました。その一方で職業を失ったことの喪失感や孤独感が予想以上に大きく、自分でも驚きました。また子育てに向き合いすぎる苛立ちもありました。また金銭的な不安も大きくありました。

その頃ワイズスタッフをテレビ(NHK)の特集を通じて知りました。仕事を続けて行くことは、私だけでなく家族にとっても大切だったと思い始めていた頃だったので、印象に残りました。その後、読売新聞の社説にワイズスタッフが取り上げられているのを見たのをきっかけに応募しました。
▼テレワークの第一印象
テレワークと一口に言っても、現在のところ様々な形態があるようです。大企業の育児介護援助などの一環としての取組みもあるし、ワイズスタッフのような組織化されたSOHO集団的なもの、また在宅パソコン内職的なものもテレワークと呼ばれています。

私は、大手IT関連企業に勤めていましたが、システム開発の現場は、外注や派遣などが混じって働き、そこには力関係が如実にあり、納期前は正社員も外注も激しい残業があるのが当然でした。ですから私は、納期の押し迫ったものを孫受けなどで零細企業やSOHOに流し、力関係で使い倒すのではないか?と勝手に思っていました(実際そういう状況は、全国的に現実に存在するのではないでしょうか)。

ですから在宅でのSOHOワーク等は賃金も安く納期も短く、育児をしながらバランスよくする仕事などとは程遠いものだと思っていました。

また、インターネット広告でよく見かける在宅パソコンワークは、悪徳業者が多い印象があります。その印象は現在も変わっていません。

このように私にとって「在宅ワーク」や「SOHO」は非常に印象の悪いもので、育児中に自分が従事することになるとは思いもしませんでした。
▼テレワークに従事して変わったこと
前述したように、テレワークやSOHOに対する印象がすこぶる悪かったのですが、一方で、幼い子どもが病気の時などに柔軟に仕事ができる就業形態が普通なら、どんなにいいだろうと思っていました。

ワイズスタッフは、その「テレワーク」という仕事の形態自体を「具体的に創り出し、商品として売っていこう」という姿勢がみられました。そこが信頼でき、自分の経験とも重なり、面白そうだったので参加したのです。単に「テレワーク」だから加わったというわけではありません。

・契約前に面接を含め3回の試験があり、契約まで1年間もかかったのには正直辟易しました。契約後も自主的に常に(無給で)勉強すべきことがあり、テレワークは決して甘くないと感じています。子どもの手が離れた後もこの就業形態を続けるかどうかは未定です。やめてしまうかもしれません。しかし、テレワークに悪印象があった私にとっては、こういう厳しさが逆に会社に対する信頼につながっている面もあります。

・現在、ある国立法人の大学のWebサイトデザインの仕事を得ることができています。地方で自宅にいながら営業もせず、やりがいの持てる仕事ができるのは稀有なことだと思っています。

・前向きに仕事に取り組めば、パートに出る程度以上の収入が得られそうだと思えるようになって来ています(まだわかりませんが)。しかしその場合は、外に働きに出る以上に忙しくなるかもしれません。

・テレワークはリーダーしだいで有効な働き方になることを確信できるようになりました。

その他、「家庭に仕事を持ち込みたくない」と思っていた自分の考え方が間違っていたと確信したことも大きな変化です。

私は二人の子どもを育てる中で、現在の子育て環境と現実の社会がかけ離れてしまっていることが、深刻な社会的な問題であることに気がつきました。特にサラリーマンの家庭は、幼い子どもは親が「働く」姿を見ることがありません(実際私の育った家庭がそうでした)。家庭と学校だけで幼い子どもの世界が閉じてしまうことが、ニートやいじめなどの問題にも少なからず繋がっていると分かったのです。そしてそのことは、一見過剰なほど恵まれているはずの現代の子育て世代の母親がもつ、わけの分からない苦しさの原因の一つだと思います。母親の本能が感じているのでしょう。

子ども達を健全に育てるために、職業は幼い子ども達の近くにあるべきだと思うようになりました。家庭と仕事を分ける「必要はない」のではなく、本来は「分けてはならない」と思うようになったのです。

子ども達は、親が必死で少ない売り上げのなかから数パーセントの利益を出すために工夫したり、納期に間に合わせるために仲間と協力したり、上司やお客様から叱られたり、部下の失敗の責任を取らされたり、失敗して落ち込んだ人を慰めたり、仕事をやり終えて喜びを感じたりしているそばで育つべきなのだと、心から思えるようになりました。

今は、子どもの横で仕事することに抵抗がなくなった私ですが、出産したころは、幼い子どもの前で家事以外の仕事をすることに罪の意識さえ感じていたのです。将来立派な社会人として独立させなければならない大切な子どもを育てていながら、なんと言う大間違いだったのでしょう。考えれば自営業の方なら当たり前の姿なのですね。しかし私のようなトンチンカンな母親は世の中に結構たくさんいて、程度の差はあれ、みな苦しんでいると思います。

「テレワークの推進は直接こういう問題の解決に繋がります」なんて、楽天的なことは全然言えませんが、糸一本の細さであっても間違いなく関係してくると思います。
▼テレワークをはじめて良かったこと・悪かったこと
●良かったこと
・自宅で仕事ができる。
・幼い子どもが病気の時など、無理なく対応できる。
(以下ワイズスタッフでは)
・全くのフリーランスよりも営業の必要がなく楽。
・教育制度、様々な事務形態が整っていて安心できる。
・全国的な組織に触れていると楽しく勉強になる。

●悪かったこと
・仕事時間と自分の時間の切り分けができにくい。
・仕事相手と顔を合わせることがない点はつまらない。
・仕事に出るよりかえって忙しくなるかもしれない
▼テレワーカーとしての視点から
テレワークは、人生の中で誰でも経験する子どもの誕生や、配偶者の転勤、介護、病気などの時に選択できる一つの就業形態として捉えてもらいたいと思います。特別なものではなく、普通のものとして実施され広がっていくとよいと思っています。そういうスタンスが結果的に、障がい者の就労支援や介護や育児との両立に威力を発揮して行くことになり、家庭における様々な危機を乗り越える大きな手助けになると思えるのです。またそういう処遇をしてくれる会社は、社員の側からも大切な会社になると思います。

現在でも、例えば営業職などなら、一日中出先にいて直帰することも普通です。それを他の職種にも広げると考えると良いと思います。または、「単身赴任にするか、長期出張にするか、テレワークにするか」といった雰囲気でしょうか。

現在、育児中の「時短」が多くの企業で取り入れられていますが、もしこれにテレワークが加われば、今よりも多くの人が退職に至らず仕事を続けられるのではないかと思います。
しかし企業の側にとっては、新しい就労形態を取り入れるのは抵抗があるものだと思います。テレワーク雇用を実施するには、会社側で、テレワーカーを有効に活用して行く工夫や準備、またはテレワークでできる仕事自体を創り出す等の作業が必要になります。特にテレワーク社員の直接の上司にとっては負担に思われる面が多いかと思います。テレワークは、職場の信頼関係がなくては成り立たず、活用できるかどうかは(テレワーカー本人と)リーダーしだいのようです。逆をいえば、テレワーカーを活用できる職場には信頼関係があり、優秀なリーダーがいるということかもしれません。

また、実際ワイズスタッフで業務を行ってみて、現在整いつつある様々なツールを利用することによって、テレワークを取り入れた方が、取り入れない場合よりもよい面がたくさんあるのではないかと感じ始めています。

例えば、作業チームにテレワークの社員を含める場合、会話の代わりにメールを利用することになります。データを共有するためセキュリティ対策を施したディスク領域を整え、どのように利用するか等の取り決めをすることになると思います。この作業自体は新たな作業負担ですが、これで業務連絡やデータなどが自然に記録に残ることになりますし、文書整理やペーパレス化、資料作成、不要な会議の削減などに相当な良い影響を与えるのではないでしょうか。

私は会社員時代、初めてのISOへの適応作業を体験しました。その時の書類の管理や資料作成などは今考えても大変なものでした。テレワークの作業形態が基本なら、あの作業は相当楽になったのではないかと想像しています。
▼これから従事しようとする方へのアドバイス
テレワークは、働き方の一形態であるにすぎません。自宅でできる簡単で手軽な職業という感覚は間違いです。そういう考えでいると、インターネットの広告で良く見る「在宅ワーク」のおいしい内容に乗せられ悪徳業者に引っかかる場合もあるでしょう。

また、テレワークは、通勤し同僚が顔を合わせて作業することに勝るものでは決してありません。もし通勤が可能なのであれば、テレワークを選ぶ必要はないと思います。

しかし、出産や介護や病気など、人生の中で仕事を続けにくい時、テレワークがあれば乗り越えていけそうなら、上司に希望を出したり、テレワーク企業に参加したりする価値は充分にあります。「テレワークなら私もやれそうだ」と思うなら、前向きに自分から行動してください。現在はまだまだ、自分から積極的に動かない限り、この働き方を得る事は難しいと思います。

Y's STAFF メンバーM(松山市在住)

 

※本コラムは、2008年3月21日に愛媛県松山市で開催された「テレワークセミナー」に関連して、ワイズスタッフネットメンバーが松山市からのアンケートに回答した内容を編纂したものです。

【最終更新日 2008/04/22】

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