株式会社ワイズスタッフ
ネットオフィスにより、新しい働き方、新しいビジネス、そして、新しい生き方を提案します。

ENGLISHサイトマップ

netoffice

7年間を振り返って、今伝えたいこと

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Check

建築パース屋としてフリーになって 4年目。やっとクライアントからの安定した受注が確保でき始めていたころ、拓銀が破綻した(1997年)。建築関連の仕事が激減し、すでに走り出していたプロジェクトが次々ストップした。これはまずい、と新聞の挿絵やパンフのイラストの営業を始めたが、地元の仕事は限られていて新規の開拓に苦戦。時期を同じくして、建築関係の会社で会社員をしていた夫がクビになる……。

そのとき、Illustratorぐらいしか使っていなかった 1台のMacが救世主になった。自分の作品集をインターネットで公開しよう!そうすれば、札幌以外の仕事もできるかも。まずAdobeのページミルという HP作成ツールを購入した。手持ちの作品のほとんどは、ポスターカラーや色鉛筆で紙に描かれたアナログ。それをデジタル化するために、プリンタよりも先にスキャナを買った。

HP作成ツールでは、頼んでもいない余計なタグを入れてレイアウトをぶっこわす、お金が取れるHPとは程遠いものしかできなかった。2006年現在、1万数千円で買えるスペックのスキャナが 当時は10万円近くした。でもあのときこれらがなかったら、今の私はたぶんない。道具にお金を惜しんじゃダメです。貧乏でも。

なんとかHPも作った。全国相手に仕事をするならメールでデータ納品は必須。Windowsユーザーの友人に 付き合ってもらって、メールが文字化けすることや添付データが壊れることがなんとなくわかってきたころ、
ネットサーフィンをしていて、由利ママのHPを見つけた。当時は田澤社長がそんなにすごい方だとも知らず、募集職種分野に自分が通用するスキルがあるのかどうかもわからないまま、「北見(北海道内)でやってる人がいる」というだけで、ワイズスタッフの参加申請フォームに入力した。その次の日、電話が鳴り、午後には新千歳空港のカフェで田澤さんと向かい合ってコーヒーを飲んでいた。

それから 2週間もしないうちに、正式にワイズスタッフのメンバーに参加させていただくことになった。心の準備もネットスキルの準備もしている余裕がない状態で、ROMをすっ飛ばして あるプロジェクトのメンバーになってしまった。HTMLも書けないのに、HP更新作業の担当をさせていただくことに……。

・‥…◇◇◆◇◇…‥・

仕事量が減ったとはいえ、パース描きもまだ並行して受けていた。このアナログ仕事は、エアブラシという強力なスプレーみたいなもので絵の具を部屋中に撒いてるような作業なので Macは別室に。プロジェクトのログを張り付いてチェックすることはできない。

ログの多さは半端じゃない。アナログ部屋からMac部屋に戻ると1時間で数十のログ。わからない用語が飛び交っている。プロジェクトスタッフのスキルの高さ、回転の速さをいやというほど感じ、自分の力不足を思い知らされる毎日だった。

2週間後には、「私には ネット上での仕事は無理です。ワイズスタッフをやめさせてください」というメールを田澤さん宛てに書いた……が、送信はしなかった。

私は、余裕があるとあれこれ考えてしまい、新しいことを始めるのに二の足を踏む典型的なマイナス思考タイプだが、ワイズスタッフの仕事は、次々間髪いれずに、決断を迷う余裕も与えずやってきた。新しいことをどんどん覚えていく毎日は、一時期よりは苦痛ではなくなってきていたが、自分がネット上の仕事で食べていけるようになるのか、まだ不安で迷っていた。

そのころ、新しいサイトの立ち上げの話をいただいた。初めての本格的なサイトデザインの仕事。週1回の定期更新。「チーフも やってくれませんか?」。チーフは特別としても、現在のように、たくさんのデザイナーの方がいて、仕事も細分化されている状況ではなかったから、デザイナーのはずが「これは私の守備範囲じゃないよ、どうやって作るの?」というような無理難題な依頼もたくさん。それもみんな受けた。

「頼まれるときちんと断れない」のも手伝って(結果としては幸いしたのだが)ワイズスタッフからの仕事はどんどん増えていった。何とかして時間を切り詰めないと、もうオーバーフローだあ……と思った。

・‥…◇◇◆◇◇…‥・

ある時、複数のプロジェクトのログを読んでいるうち、メールのログの追い方に少しコツみたいなものが見えた。レスを入れるタイミングも調整する。いくつものプロジェクトを抱えているチーフの方々はこうやって見ていたのか、とあらためて思う。ツールの使いかたをみなさんの余談で垣間見ては、すぐ実行。切り詰めて切り詰めて浮いた10分とか15分といった「隙間の時間」に、プロジェクトのスケジュール出しなど、共通する作業をまとめてやる癖をつける。それでずいぶん時間短縮できた。

「Iさんもデザインコンペ案を作成するとき時間がかかるんですか?」と聞かれたことがある。これだけは時間短縮できない。ものすごく時間がかかる。時間が読めない。煮詰まっているうちに締切が迫ってきて、精神衛生上もよくないので、他の仕事をやって気休めをする。でも、やらなきゃ終わらないし、じゃ、少しでも煮つまらない方法は?というと。デザイン案作成のための資料が届いたら即、念入りに目を通し、締切日までずうっとその内容を頭の隅に置いておく。PCに向かってから手を動かすまでの時間をなるべく少なくするのだ。

「いい作品を上げることより、早く作品を上げることに集中しろ。技術は後からついてくる」。これは建築パース屋の社長のことば。職人は芸術家ではないのだから「自分の満足のいく作品」を作成するのではなく、「クライアントが満足してくれるレベルの作品を納期までに完成させる」ことが一番重要だと、やっと納得できた。

限られた(短縮した)時間のなかで、作成したベストの状態のものを納品すると 浮いた時間にもう1つ作業がこなせるので、場数が増える。場数が増えれば、それだけ多くの作業を経験できるから、技術が上がる。

せっかくワイズスタッフのメンバーになったのに「手を上げる勇気がなくあまりお仕事していない」という方、「今の仕事だけで手一杯。もう1つ プロジェクトを増やすなんて無理……」と思っていらっしゃる方、少しずつ仕事を増やしていくと、違う流れや、やり方、やりがいが見えてくるかもしれませんよ。「自分の専門分野の仕事の募集が流れない」と不完全燃焼の方、一見何の関係もないと思える仕事が、今後どこでどう役に立つかわかりません。どうぞ守備範囲以外の仕事にも手を出してみてください。

Y's STAFF メンバーI(北海道在住)

【最終更新日 2006/02/22】

【 その他 】 の詳細