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【ネット時評】「かな入力」は、本当に使いにくいのか?(2001/11/19)

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 「ローマ字入力推奨文化にもの申す!」に対していただいたメッセージの中で、特に目立ったのは、「かな入力は使いにくいので、推奨できない」という意見だ。しかし、それは事実だろうか。IME(日本語入力システム)の進化と共に「かな入力」も機能が向上している。もし、IT先駆者が過去の経験から「かな入力は使いにくい」と思い込み、その上に「ローマ字推奨文化」が成り立っているのであれば、それはやはり見直す必要があるのではないか。

■英数字混合文で、かな入力は不利ではない 

 まずはいただいた投稿から。

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かな入力で英字を入力したい場合、いちいち英数キーを押して切り替え、英字を打ち終えたらまたかなキーを押して切り替えて続きを打たなくてはいけない

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ノートPCを使用しており、数字入力や、英文字入力で一々シフトしなければならない煩わしさから、ローマ字に転向した

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 「かな入力では、日本語と英数字が混ざった文を入力する場合、切り替えに手間がかかる」というのが、一般的な認識のようだ。実際、数年前までのIMEでは、日本語文章入力中に英数字を入力する場合、「かな入力」モードを解除して英数字入力し、日本語に戻る場合は再度「かな入力」モードにする、という手順をとっていた。また、英数字を入力するのに、「かな入力」モードのままキーを打つと、最初から入力し直しになるのも不評だった。

 しかし、今はIMEが進化し、状況は変わっている。以下は、MS-IMEの初期設定での入力例だ。「日本語の中に英文字が混ざった文」を入力してみよう。

 文字キー以外のキー操作は、「ローマ字入力」も「かな入力」も同じだ。文字の入力に関しては、当然「かな」のストローク数が少ないので、結果として「かな入力」の方が、時間も労力も少なくすむことになる。また、モードを間違えて入力した場合も、簡単に変換できるようになっている。

 次に、テンキーの無いノートPCで、「日本語の中に数字が混ざった文」を入力してみよう。

 こちらのケースでは、「かな入力」の場合、文字キー以外のキー入力が増える。しかし、文字キーのストローク数の差が縮まる程度で、「使いにくい」と言い切るほどではないだろう。

■ローマ字が、英語教育に支障がないとは言い切れない

 子供の英語教育への影響については、次のような意見もいただいた。

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今まで、入力方法なんてどうでも良いじゃないと思っていましたが、これからパソコンや英語を勉強する子ども達がいる私には、大きな課題になるべく問題だと思います。

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私たちも最初にローマ字を習い、その後英語を勉強したわけですが、特に支障はなかったと思います。「ローマ字は日本語である」ということが理解できれば問題ないのではないでしょうか

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子どもが早くにローマ字入力に慣れてしまうと、英語の習得に支障が出るなどというのは、イタリア人は英語が覚えられないと言っているようなもので、まるで説得力を持ちません

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 もちろん、「必ず影響する」とも「必ず影響しない」とも言い切れない。しかし、「ローマ字」と「英語」が別物と理解している大人でさえも、日ごろ「オフィス」を「OFISU」、「アルバム」を「ARUBAMU」と入力していると、「OFFICE」や「ALBUM」といった英語の綴りがあやふやになるのは避けられないだろう。

 また、必ず母音で終わる「ローマ字読み」は、英語の発音に少なからず影響する。いただいた例で言うと、「イタリア人は英語が覚えられない」とまでは言わないが、母音を明確に発音するラテン語系を母国語としている人は、子音で終わる英語の発音は苦手なのは事実だ。私も、大学時代、スペイン語(ラテン語系)を専攻しており、スペイン語に慣れると英語の綴りをローマ字読みをしてしまう現象に苦労した経験がある。

 英語と同じ文字(アルファベット)で表記するにもかかわらず、読み方が異なる「言語」を使う国の人にとって、英語の学習には、「発音の変換」という「壁」が存在する。それは、決して乗り越えられないものではないが、努力は必要だ。一方、まったく違う文字を使っている日本人にも、同様の「壁」が存在している。その理由の1つに、日本人が「ローマ字」読みを習ってしまったから、というのは少なからずあるような気がする。

■ユニバーサルな視点から「選択できる」教育を

 「かな入力」にも「ローマ字入力」にも、それぞれメリット・デメリットがある。大切なことは、両方を公平に「選択できる」ことだ。今、現実として、ほとんどのIT講習会、ほとんどのパソコン参考書、さらに、情報教育の教科書までもが「ローマ字入力推奨」を当たり前としている。子供や、高齢者、障害者も含めた「ユニバーサル」という視点からも、やはり「選択できる」教育方針をとるべきでは無いだろうか。

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