株式会社ワイズスタッフ
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【ネット時評】ネットの狭間に眠る「戦力」は、生かされるのか(上)(2002/01/31)

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 1月10日の日経新聞。一面特集「民力再興」のタイトルは、「眠る戦力、挑戦の場へ」だった。そしてサブタイトルは、「コンビニ化粧品、演出は主婦」(記事参照)。実は、この「主婦」は、私の会社で働くスタッフだ。しかし、毎日会社に通うのではなく、ネット上のバーチャルスペースで仕事をしている。

 働く女性が増えているとはいえ、やむにやまれぬ事情で大手企業を辞め、家庭に入ってしまう女性も少なくない。結婚・出産・子育て・夫の転勤、そして介護とその理由はさまざま。そんな埋もれる「人材」をネット上のバーチャルな会社に集め、それぞれの能力を生かし、また協力し合い、社会を動かすような大きな仕事をしたい。まだまだ課題は多いが、今回の記事による反響の中に、この夢の方向性が間違っていないという手ごたえを感じることができた。

■有能な人材からの参加希望が殺到

 記事が掲載された当日、弊社のホームページにある「参加申請」に、ネットを使って仕事をしたいという人からの参加希望が相次いだ。普段は、1日1~2件のところ、初日は23件。最終的に、新聞効果で申請してきた人は100人近くになるだろう。この数字に対し、「日経新聞の一面に載ったのに少ないのでは?」と思う方もいるかもしれない。しかし、新聞には「北見市のワイズスタッフ」としか書かれておらず、サイト検索でホームページを見つけたとしても「参加申請」ページは、隠すかのように奥底にある。そこにたどりつき、「小遣い稼ぎの人はお断り」的な文章を目にした上で、あえて申請をする人のプロフィールは、それは読み応えがあるものばかりだ。

 内容は、まさに各人各様。「大きな仕事をしたいフリーランサー」「求職中のシングルマザー」「夫の転勤で会社を退職した女性」「企業で今まさに働いている会社員」、さらには「夫が記事を持って帰ってきたくれた専業主婦」などなど。場所も、沖縄の離島から東京のど真ん中、北海道にサンフランシスコと、まさに世界各地。そして、「志望理由」や「自己アピール」の欄には、さまざまな思いがぎっしりと書かれている。印刷するとA4で5枚になる人もいる。

 また、最終学歴や勤めていた会社は、聞き覚えのあるものが多く、それなりの実績を持っている女性が多い。このような人材を育てたのに手放すことは、企業にとって、大きな損失だったことだろう。

 そんな人材が100名いれば、まさに大きな「戦力」だ。しかし、だからといって、全員を合格にするわけにはいかない。いい仕事は、「数」でするのではない。涙を呑みつつ、うちの会社に合うと思われる人をトライアル(試験)や面接で選定していくことになる。最終的な合格率は、わずか数%だ。

■意欲と道具はあるが、仕事がない 

 うちの会社への申請理由に多くある「ネットで仕事ができるサイトを探しましたが、ここ以外は、怪しいものばかりでした」という声を聞き逃してはいけない。これだけの逸材が日本全国、いや世界各国にいる。そして、インターネットという道具も、手に入りやすい環境が整ってきた。しかし、「在宅ワーク」や「SOHO」へ仕事を発注する企業は少なく、あったとしても、プログラミングやデザインなどの特殊な能力が必要な仕事か、データ入力やテープ起こしなどの単純な仕事に限られる。つまり、先の100人のように、「過去に企業の中で培った能力をネットを使って生かしたい。そして、それに見合う報酬を得たい」と思う人材にとっては、「意欲と道具はあるが、仕事がない」状況がずっと続いているのである。

 女性の在宅での仕事について、ちょうど今週、「イーウーマン」でテーマを出題しているので、実態を知りたい方は、こちらをご参考いただきたい。(http://www.ewoman.co.jp/)

■ITによる雇用の創出を!

 「e-Japan戦略」を掲げ、5年以内に世界最先端のIT国家を目指す日本。もちろん、より多くの家庭がより快適にインターネットを利用できる環境を整えるのは必須だ。国際競争力の強化も重要。ITを使った教育、IT技術者の育成も大切だ。生活を便利にする電子政府の実現も待ち遠しい。

 しかし、今の日本に一番求められているのは、「雇用」であり「仕事の創出」である。インターネットという環境を利用し、「眠れる戦力」を生かすしくみ作りが、いま最も、求められている課題ではないのだろうか。そういうと、「この不況下、社員への仕事も無いのに、外部に出す仕事などないのでは」という意見もあるだろう。しかし、そうとは限らない。今だからこそ、その「眠れる戦力」を必要としている企業があるのではないだろうか。実は、この仮定について、図らずも今回の「日経新聞効果」で、1つの答えを得ることができた。今回は記事に対する「女性」からのアプローチをご紹介したが、次回は視点を変え、「眠れる戦力」に対する企業側の「ニーズ」について、話をしたいと思う。

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