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【ネット時評】ネットの狭間に眠る『戦力』は、生かされるのか(下)(2002/02/01)

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 昨日のネット時評では、日経新聞の記事をきっかけに、想像していた以上に「眠る戦力」が存在しているというお話をした。かつて企業の戦力として働いていた女性は、今、「家庭」の中で悶々としているのだ。

 しかし、「リストラやワークシェアリングの時代に、わざわざ『眠る戦力』に仕事を発注するだろうか」という意見も多い。事実、「SOHO」「テレワーク」「在宅ワーク」は、過去に騒がれたほど、社会に影響を与えていない。しかし、こんな経済状況だからこそ『眠る戦力』を求める動きは、確実に存在する。

■企業が求める「発注先」とは 

 日経新聞に記事が掲載された日から、参加申請の増加と平行して、企業からの電話やメールも相次いだ。「一緒に仕事をするとメリットがあるはず」「うちの商品の代理店にならないか」「ネットビジネスのアドバイスがほしい」など、いろいろな話がある中、「消費者の本当の声を聞きたい」と大手企業の企画やマーケティング担当者からの直接アプローチが、数件舞い込んだ。その業種は、「仕事をしたい」といっている女性たちと同じく、メーカー、金融、流通、通信と、各社各様である。

 低迷する経済状況の中、どの企業も、必死に模索をしている。不景気だからといって、技術開発や商品企画、広告・宣伝などにかける労力や経費を極端に削ることはできない。これらの先行投資無くしては、企業としての未来がない。とはいえ、バブル期のように「とにかく、やってみよう」といった思い切った戦略には出られない。決められた予算の中で、確実に成果の上がる戦略をとらなくてはいけないのだ。

 外資系のコンサルティング会社で活躍する友人が、「不況の今だからこそ、私たちの仕事が求められている」と言う。その通りだ。しかし、事態はもっと切実かもしれない。大手の広告代理店やコンサルティング会社に丸投げすると、大きな費用がかかる。しかし、大きな会社に発注すればするほど、間に他の会社や人が入るために、「消費者」との距離が広がる。

 今回アプローチのあった担当者と、実際に会って、話を聞いて、確信は深まった。今、企業が求めているのは、「安く」「質が良く」「小回りがきき」「消費者の声を直接聞ける」「リスクの少ない」発注先なのだ。そして、そんな都合のいい「発注先」になれば、小さな受託会社もこの時代を勝ち抜けるはずだ。

■『眠る戦力』を生かす「ネットオフィス」

 私のオフィスは「北海道の北見市」にある。今、流氷がやってきている、オホーツク地方。朝晩の冷え込みは、マイナス20度にもなる。東京や大阪の企業が仕事を発注するなんて、普通は考えられない「最果ての地」である。

 しかし、東京のど真ん中にあるクライアントの担当者はこう言ってくれる。「この窓から見える隣のビルの担当者より、ワイズタッフさんの方がよほど頻繁に顔を出してくれるね」。もちろん、本当の「顔」ではない。私たちの「顔」は、メールのことだ。企業の中でもインターネットが普及し、メールが連絡手段として一般的になっている今、物理的な距離はあまり意味を成さなくなっているのだ。

 でも、一番の大きな問題は「どうやって信用を得るか」である。私の会社の場合、それを「しくみ」によって、実現している。ネット上で優秀な人材を集め、プロジェクトを組み、ネット上で頻繁にやりとりをしながら業務を行う。誰かが急病になっても、全員がフォローするため、納期や仕事の質には影響しない。メンバーは、通常の会社と同じように、責任感と緊張感を持って仕事をしている。一方、ネット上の会社であるメリットは最大限に生かす。固定費を徹底的に抑え、受注費用を抑える。海外メンバーも含めて、24時間体制で業務を行うのである。私たちは、これを「ネットオフィス」と呼んでいる。

 そして、この「ネットオフィス」のしくみを理解し、評価してくれる企業が、先の日経新聞の記事で紹介された資生堂さんをはじめとする現在のクライアントであり、今回、アプローチしてくれた企業だと考えている。

■ネットで普通に働ける社会を

 現在、政府や自治体などが実施しているSOHO支援策は、「インキュベーション施設の提供」や「一時的な資金支援」「企業とSOHOのマッチング」などが中心だ。残念ながら、それらは根本的な解決に至るものではない。ネットの狭間に眠る「戦力」を本当に生かすには、その「戦力」とそれを求める企業側の「ニーズ」のギャップを埋めなくてはいけない。

 そのためには「ネットオフィス」のようなしくみを、もっと普及させる必要がある。当然のことながら、うちの会社だけでは、すべての「眠る戦力」を生かすことはできないのだ。

 ネットで普通に働ける社会が実現すれば、日本人の働き方自体が変わるかもしれない。子育てや介護で働きに出られない女性だけじゃない、リストラされたり定年退職した男性、身体に障害がある人、そして、地方在住者も、日本経済の「戦力」になりえるのだ。

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