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【ネット時評】IT時代の理想のオフィスを求めて(2002/04/25)

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 私が就職活動をしたのは、18年前。男女雇用均等法が施行され、青田刈りの全盛期。学生が企業を選んで就職できた時代である。東京の新宿にある高層ビルを見上げ、「こんなオフィスで働きたい」と熱く思ったものだ。しかし、実際に就職したのは、メーカーの工場。そして退職後、私の「オフィス」は、永らく自宅の一室となる。「ホームオフィス」、「スモールオフィス」を経て、私がたどりついたオフィスとは…。IT時代の理想のオフィスについて考えてみた。

■7年間の「在宅ワーク」時代

 「在宅ワーク」と「ホームオフィス(HO)」は、ときどき同じ意味で使用されている。確かに、家で仕事をすることには違いない。しかし、受ける印象は随分違う。「在宅ワーク」は、主婦が空いた時間を利用して仕事をする、というイメージが強い。生活で使っている空間や道具(パソコンなど)を活用して仕事をするからであろう。

 これに対して「ホームオフィス」は、生活の場に仕事をするための空間と道具を置くことである。「生活の合間にする仕事」と「生活の場にオフィスを置いてする仕事」では、まったくニュアンスが違ってくる。

 私のことを振り返ると、7年近く勤めたメーカーを退職し、初めての出産と子育てを機に、自宅でフリーライターという仕事を始めた。正直言って、このころは「在宅ワーク」の範疇であったと思う。そして、夫の転勤について全国各地5回転居し、子供を3人産みつつ、ネットを使って自宅で仕事を続け、約7年間、このワークスタイルを続けることになる。

■「ホームオフィス」へ 

 夫の転勤で北海道へやってきたのが4年半前。ふとしたきっかけから会社を起こすことになったのが、その1年後。会社設立といえども、資金はない。当然、自宅にオフィスをおくことになる。

 場所は、夫の会社の社宅。2階にあるサンルームだ。デスクトップバソコンとノートパソコンとプリンター。これがオフィス設備である。しかし、インターネットにつながっていれば、仕事はできるはず。ホームオフィス時代の始まりである。

 しかし、仕事が順調に進むと、すべてを一人ではこなせなくなってくる。時間でアルバイトさんを雇うが、1人と2人と増えてくる。気がつくと、アルバイトさんが床にノートパソコンを置いて仕事をしている。これではいけないと思い始めた。

 また、公私混同もいいところ。学校から帰ってくる子供に「お帰りなさい」が言えるのが在宅のいいところ、なんて言ってはいられない。帰って来た自宅には、おかあさん以外の人がゾロゾロいるのである。

■「スモールオフィス」への転換 

 家族の顰蹙(ひんしゅく)を買いながら、次に私が選んだオフィスは、「スモールオフィス(SO)」だった。自宅から車で5分。オホーツク地域最大のショッピングストアに隣接。下が倉庫、上が事務所の2階建て。合計30坪に、駐車スペース4台分を含めて、なんと月額11万円。この金額は、地方ならではである。

 看板をかかげ、社員も増え、やっと会社らしいオフィスを持つことができた。お客様もきっちりお迎えできる。

 また、家庭と仕事の区切りが明確になり、家族からのクレームも無くなった…と思ったのはつかの間。続く残業と休日出勤の日々。たまに早く帰ると「おかあさん、どうせまたオフィスに戻るんでしょ?」と責められる。

 さらに、事業拡大で、パソコンスクール用にもう1部屋を賃借。安いとはいえ、月々の賃借費用が増え、それを負担と感じるまでに2年はかからなかった。

 

 

 

■そして「自社オフィス」建築 

 もともと北海道は、私たち家族にとって「夫の転勤の一経由地」だった。しかし、北の大地に魅せられ、ここに生活と仕事の基盤を置き続けたいと家族全員が自然に願うようになっていた。自分たちが今住みたいと思う場所に、理想のオフィスを建てたい。そして、そこで腰を据えて働きたい。

 そんな思いから、この春、200坪の土地を購入し、自社オフィス(兼用住宅)を建てた。一階がオフィス、2階3階が住宅である。二世帯住宅さながら、玄関をまったく別にして、公私混同を極力少なくできるよう、工夫を凝らした。

 また、この社屋には、ソーラーシステムを導入した。日本有数の日照率を誇る北見で、太陽の光を最大限に利用し、オフィスで使う電力を自給するのだ。3階のバルコニーからは、眼下に市内の風景を見わたせ、眼を上げれば遠く斜里岳、十勝岳を望むことができる。この地に建てる意義を最大限に主張できるオフィスにしたかったのだ。

 もちろん、これから借金を返すべく、今まで以上にがんばらなくてはいけない。しかし、私にとっての「(物理的な)理想のオフィス」は、こんな形で実現した。そして、次の目標は、ネット上に「(バーチャルな)理想のオフィス」を作ることである。

■理想のオフィスとは

 バブルがはじけるまで「大企業神話」は確実に存在していた。都会の高層ビルで働くことは、1つのステータスだった。そこにたどりつくまで、2時間の満員電車に揺られようとも、そのオフィスで働くことは「誇り」だったはずだ。しかし、バブルがはじけ、大企業が倒産する今の時代において、物理的なオフィスは、どんな意味を持つのだろうか。家族との時間を犠牲にして、自分の体を削ってまで、通うべき「オフィス」なんて本物なのだろうか。

 ITが普及し、SOHO、テレワークが注目される中、働く場所は、都会である必要もないし、ましてや、物理的に存在する必要もない。自分が生きたい場所で、自分が働きたい場所で仕事をする。それが「理想のオフィス」と言えるのではなかろうか。そして、その理想の形は、働く人の数だけ存在するのかもしれない。

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