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【ネット時評】女性のSOHOワーカーが日本を救う?!~少子化対策を意識した税制改革を!~(2002/06/28)

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 「もうひとり子どもを産んだら、とても働けない」。周りの反対を押し切って子どもを産み、職場での難しい立場に耐え、保育園とバトルを繰り返し、苦労しながら会社に通い続ける女性がいる。もちろん、独身時代から、自分で自分の税金を払い続けている。

 一方で、出産のため会社を退職し、2人の子どもを育てながら在宅で仕事をしている女性がいる。退職時に夫の扶養に入ったが、徐々に収入が増え、今年から扶養をはずれた。税金や年金、保険料を自分で払い、夫の税金が増え、結果的に家庭全体の収入は減った。そんな彼女に、周りの主婦たちは「どうして、扶養範囲内で働かないの?」と、素直に疑問を投げかける。子どもが小学生になり、勤めに出る時間ができた女性でさえも「夫の扶養範囲内で働く」のが、暗黙のルール。女性は、未だ内助の功としての役割しか期待されていない……。

 こんな不思議な社会を作り出した原因は、何か。それは、日本の税制ではないだろうか。出産、子育て、介護などの理由で働くことのできない女性の働き方が、ITを活用したSOHOという新しいワークスタイルで変わろうとしている今、日本の税制改革は、きっちりと「ここ」に目を向けているのだろうか。

■働きながら子どもを産みたくなる社会を

 「子どもが欲しくても、働くために子どもを産まない選択をする女性」と「子どもを産むために仕事を辞める女性」。どちらも、その人が選ぶ人生である。では、「少子化」という大きな問題を抱える日本としては、後者の女性が増えるよう、応援すべきだなのだろうか。いや、それは違う。これまでがそういう方針だったからこそ、結果として、「女性は結婚して子どもを産み、時間ができてからも、仕事はほどほどにする」「働き続けて社会に貢献したい女性は、子どもを産まなくなる」という、目指すべきものと異なる社会を作りだしてしまったのではないか。

 今、日本がすべきことは、「働くために子どもを産めない社会」を「働きながら子どもを産みたくなる社会」に変えることである。

 「子どもを産んでも働き続けるための施策」として、すぐに挙げられるのが、保育施設の充実である。事実、目の前にある現実問題として重要だ。しかし、私は、それが「目指すべき方向」だとは思わない。個人的な意見になってしまうが、子どもと母親が一緒に過ごす時間を削ることは、別の社会問題を招きかねないからだ。

 「目指すべき方向」は、仕事をしながらでも、子育てがしっかりできる環境である。そんな都合のいい話があるだろうか。疑問に思う人もいるだろう。でも、実際にあるのだ。

■ITを活かし、日本を救う働き方 

 「家に居ながら仕事をする」というワークスタイル。ITの普及によって、徐々に広がりつつある新しい働き方、それが1つの答えを出してくれる。もちろん、問題はたくさんある。誰でも簡単にできる働き方ではない。しかし、その働き方を応援することで、日本の社会が変わるかもしれない。

 冒頭の例のように、「在宅で仕事をしつつ子どもを育てている」女性は、私の会社にたくさんいる。いや、私の会社はそのような女性で成り立っていると言っても過言ではない。社会で十分通用する能力と意志を持ちつつ、子どもや家庭をも大切にしている、素晴らしい女性たちが、インターネット上のバーチャルなオフィスで仕事をしているのだ。そんな彼女たちを応援すること、また、彼女たちに続く女性を増やすことは、今の日本社会にとって、大きな意味があるはず。

 また、このような働き方は、少子化対策だけでなく、家族のコミュニケーションという視点からも、意義は大きい。さらに、出産・育児が理由で働けない女性だけでなく、親の介護に携わる人、地方に住む人、体が不自由な人、さまざまな理由で「会社に勤務できない」人に可能性を与えてくれる。

■SOHOに目を向けた税制を

 しかし、残念なことに、税制や労働基準法、社会保険といった制度は、この新しい働き方に目を向けてはいない。今回、小泉内閣が進めている「配偶者控除」廃止問題もしかりだ(注)

 弊社のネットメンバーに、「配偶者控除」について意見を聞いてみたところ、こんな答えが返ってきた。「扶養からはずす手続きが面倒と夫に言われた」「心置きなく働けない」「夫の職種に左右されるなんて、くやしい」「廃止されれば、思いきり働ける」。確実に、そこには、「働く壁」が存在している。

 一方で、その壁を乗り越えた人からは「夫の扶養からはずれて、ようやく正式に社会復帰したんだと実感した」「自分が被保険者となった国民健康保険証を手にしたとき、すごくうれしく誇らしく感じた」という声がある。そんな心から働きたいと思っている女性たちが、壁を意識せずに働けるよう制度を改革することが、今の日本に必要なのではないだろうか。

(注)「配偶者控除の廃止」

 6月14日、税制調査会から小泉首相に、税制改革の基本方針に関する答申が手交された(こちらを参照)。この答申には、「配偶者特別控除の廃止」が記載されている。
 答申を読む限り、「配偶者控除」の廃止ではなく、「配偶者特別控除」の廃止なのである。配偶者(多くは女性)に収入がある場合、年収38万円まで控除となる「配偶者控除」。このため、38万円に、経費として認められている65万円を足した103万円を超えると、急に手取り収入が逆転する。これを緩和するために、後から設定されたのが「配偶者特別控除」だ。つまり、今回の答申には、「103万円の壁」を再び厚くする後退案が記載されているのである。「税引後手取りの逆転現象について税制上何らかの配慮は必要」としているものの、先の方針が見えない。最初から「配偶者控除の廃止」では、反応が大きいので、慎重に進めているのだろうか。非常に不思議な内容である。いずれにしても、今後の動向をしっかりと見守りたい。

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