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【ネット時評】ネットで情報検索。腕に自信はありますか?(2002/11/08)

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 今年の春から、北見工業大学で非常勤講師をしている。大学時代の専攻がスペイン語だった私が、「情報科学概論」を教えているのだから、世の中おもしろい。おもしろついでに、普通じゃない授業をしようと試行錯誤の毎日である。その試みの1つとして「情報検索」の試験を実施してみた。その結果…。

■社長と非常勤講師の二足のわらじ

 子供の頃からずっと先生になりたかった。大学でもスペイン語を専攻しながら、教職課程を取り、苦労して英語の教員免許を取得した。しかし、大学の後半で出合ったコンピューターという未知なる物にひかれ、人生を軌道修正。パソコンメーカーに就職。その後、パソコン関連ライターを経て、IT関連の会社社長になった。「先生」という職業からすっかり離れたはずなのに、どこか夢は捨てきれずにいた。そんな折、飛び込んできた国立大学の非常勤講師の話に、二つ返事で飛びついてしまった。

 担当教科は「情報科学概論」。名前はすごいが、PCを使った実習が中心。演習室には、高速インターネットに接続されたPCが100台。1人1台の好環境である。「現役社会人」の私を教壇に立たせてくれた大学の意図をくみ、「実践的」な授業をせねば。理論ではなく、すぐに学生生活に役立ち、卒業後の社会人生活でも即戦力になることを教えたい。そのためには、市販の教材を使っていてはダメだ。毎回、パワーポイントでオリジナル資料を作成し、余計な内容は省いてポイントを教える、実践主義の授業を目指した。何とか1クールである前期をこなし、この10月からは後期に突入。前期に資料を作成してある分、少し余裕を持ちながらのスタートとなった。

■複雑な情報検索はできない!?

 後期最初のテーマは、「ネット検索」。さすが、理工系学生だ。「ネットで情報を検索したことがある」生徒が大半を占める。検索サイトの選び方、キーワードの設定方法を一通り説明したあと、「ブータン王国の首都は?」という簡単な検索クイズを出してみた。高い正解率。これに気を良くして、このテーマの「演習課題(いわゆる試験)」を検索問題で実施してみた。

 問題は、自作。点数に差をつけるために難易度別、手法別に3問。問題を考えるだけで1週間を要してしまった。そして、その試験結果はというと・・・なんと、平均点25点!単純にキーワードを並べるだけで検索できる問題なら解けるが、ひとひねり、ふたひねり入るとお手上げ状態なのだ。

 特に「まずは公式サイト」で調べる、という基本を知らない。「キーワード」での検索に慣れてしまっているからか。また、検索の結果表示されたページに書かれた内容を「鵜呑み」にする傾向も感じられた。インターネット上に公開されている情報を、あたかも雑誌などに書かれてる情報のごとく受け止めている。これは、簡単に道具が手に入るため、その道具の背景や使い方、つまりインターネットリテラシーなるものを学ぶ機会すら無かったことを示していないか。また、試験を終えた感想として「検索がこんなに難しいとは知らなかった」「工夫すれば、結果にたどりつけることがわかった」というのが多かった。「言葉を並べて検索する」ことしか知らず、そのキーワードを工夫したり、視点を変えるという、考え方すらわかっていなかったのかもしれない。

■高校の新教科「情報」

 来年度から高校の授業で新教科「情報」がスタートする。生徒たちに、情報社会に対応できる力を身につけさせることが狙いだそうだ。パソコンを使った情報収集などを学ぶ「情報A」、コンピューターの機能、仕組みを学ぶ「情報B」、情報と社会とのかかわりを学ぶ「情報C」。内容がどのようなものになるのか、私にはわからない。しかし、ここ数年のうちに大学に入学してくる学生たちは、少なくともこの授業を経験してくる。知識や手法だけでなく、インターネットに溢れる情報に翻弄されない、背景やリテラシーをきっちり教わってきてくれることを願わずにはいられない。

 ちなみに、この検索試験。3クラス147名中、全問正解は、2名。その1人のコメントが「この問題を作成するのは、大変だったと思います」とのねぎらいの言葉。いやはや、侮れません…。

 ◎授業で使った検索問題のページ

  演習課題用に私が作成した問題と解答。地域性が強いが、それもネットで検索できる。腕に自信のある方は、ぜひ。

http://www.5012.jp/search/

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