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【ネット時評】インターネットを使って仕事をする――会わなければ、一緒に仕事ができないのか?(2003/10/10)

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 インターネットの普及で、仕事のスタイルが変わってきた。たとえ同じ仕事場で働く仲間でも、メールで業務連絡をするのは珍しくない。そして、その状況に、多くの会社員が「これなら家でもできる」と感じる瞬間があるだろう。しかし、実際に「家だけで仕事ができる?」と質問すると、ほとんどの人が「NO」と答えるのではないだろうか。

■ネットで仕事ができるのは「会っている」から

 メール連絡で仕事がスムーズにできるのは、会社でいつも仲間と「会っている」ことが大前提。事実、「テレワーク」「在宅勤務」といった新しい制度を導入している企業も、週に1-3日程度しか自宅での仕事を認めていない。また、いわゆる「SOHOワーカー」も同様だ。SOHO向けの仕事募集をチェックすると「週に1回程度、打ちあわせに来られる方」といった条件が付いていることが多い。

 インターネットで仕事の効率化は図れるが、やはり「会う」ことが大切。会わなければ、一緒に仕事はできない。そう考えている人がほとんどであろう。私も同じ考えである。どんなに技術が進んでも、どんなにインターネットが普及しても、基本は「人」。「会う」というアナログな行為なしで、「一緒に仕事をする」ことはできない。

■「ネットで仕事」も、しょせんは都市集中型?

 しかし、結論を出してしまうのは、待ってほしい。「会わなければ、インターネットで一緒に仕事ができない」と断言したら、対象から除外されてしまう人たちがいるのではないか。

・少なくとも週1回程度は、会社に出向く必要がある
  →飛行機や新幹線などでの移動が必要な地域に住む人は?
・仕事の必要に応じて、急に出かけなければならないことがある
  →介護・育児・障がいなど、自分の意思だけで外出できない人は?

■どこででもできる仕事はどこででも得られるわけではない

 ブロードバンド・無線LANなど、「インターネットがあればどこででも仕事ができる」環境がそろってきたのは事実。しかし、その「仕事」自体は、どこででも得られるわけではない。

 現状、SOHO、在宅ワーク、テレワークといった形態で仕事をしている人は、首都圏あるいは都市近郊を拠点にし、自分で時間管理が可能な状況にある人に限られているのではないだろうか。あるいは、たとえ地方在住でも、営業から納品までをこなせる「実績」と「能力」を持って独立した個人に限られているのではないだろうか。

■「場所」と「時間」を越えて働く場を

 5年前、私はインターネットだけで仕事ができる「オフィス」を目指して起業した(https://www.ysstaff.co.jp/)。「場所」と「時間」を越え、複数のスタッフがチームになって仕事ができる場所をインターネット上に作りたいと考えた。

 そこでは、地方在住であることも、子育てや介護で家を出られないことも、体に障がいがあることも、デメリットにはならない。評価されるのは、仕事に対する「モチベーション」と「スキル」のみ。そして、その能力は、同様の仲間と一緒に仕事をすることで、さらに磨かれ、さらに生かされ、社会に役立つと同時に、見合った収入を得ることができる。

 そこには、物理的に「会える」という条件があってはならない。首都圏在住なら仕事が多く、地方だと仕事が少ないといった職場は、公平な環境ではないからだ。

■あえて「会わない」ことで、築けるもの

 しかし、先にも書いたとおり、ネットで仕事をするには「会う」ことが大切だと思っている……。その矛盾に対し、私は意図と反対の方針を打ち出した。「一緒に仕事をするネットメンバー同士は、原則として会わせない」。

 仕事の打ち合わせ等で、顔を合わすことまでは妨げない。しかし、「親睦のためのオフ会をしてほしい」「近所だからメンバー同士で会いたい」という要望に対し、会社としては「禁止はしないが、オフィシャルには認めない」という態度を貫いてきた。

 その代わり、私が会社の代表として、必ず会ってネットメンバー採用を決める。クライアントにも、私ができる限り足を運んで打ち合わせをする。動くことのできる会社が「会う」ことで、お互いの信用を築くのだ。在住地域・生活環境から生まれる、ネット上のオフィスでの「不公平」を無くすために。

 その甲斐あってか、弊社のスタッフに、ほとんど地域格差はない。北海道在住のチーフのもと、東北在住のデザイン担当、東京在住のプログラム担当、関西在住のチェック担当、九州在住の執筆担当がネット上で協力し合い、大きな仕事を「会わずに」こなす。今や、弊社ではごく普通のスタイルとなっている。

■設立5年にして、はじめてオフィシャルに「会う」

 そんな私が、この10月、会社設立5周年という区切りを迎え、はじめて、オフィシャルに「会う機会」を設ける決意をした。題して「5th ANNIVERSARY イベント」。ほとんどのネットメンバーは、外に出られない理由があって、ここで仕事をしている。全員が物理的に同じ時間、同じ場所に集まることは不可能に近い。しかし、「会いたい」という思いを1つの機会に集中させれば……。

 会社のすべきことは、できる限り、参加しやすい環境を用意すること。弊社のオフィスは北海道だが、イベント会場は交通の便が良い東京にする。遠方からの交通費を軽減するために、開催日を航空会社の格安割引期間に設定。さらに、地方からの参加者には、会社から交通費を一部補助。近隣のホテルに交渉し、特別宿泊価格を設定。子どもがいる人も出やすいよう金曜日に開催し、イベント時間中の託児サービスを手配。また、日程調整のための時間を多くとれるよう、2カ月前に詳細を告知した。もちろん、その上で、どうしても参加できないメンバーのために、ネットで参加できる企画も忘れてはいない。

 結果、ネットメンバー約90名のうち、半数に近い約40名のネットメンバーから参加表明があった。そのうち、交通費補助を受ける、つまり遠方からの参加者は、半分にあたる約20名。北海道・東北・北陸・関西・九州。まさに全国から、この日のために、万難を排して集まってくる。目的はひとつ。「仕事仲間に会いたい」。

 

◇ ◇ ◇

 

 私には目に浮かぶ。「はじめまして」と挨拶を交わしたと思ったら、次の瞬間、「あの仕事は大変だったわねぇ」「本当に!でも、いい仕事ができましたよね!」と、あちらこちらで会話が弾む会場。何年も一緒に仕事の大変さを味わい、何度も仕事を成し遂げる喜びを味わった仲間たちのはじめての、そして貴重な「出会いの場」だ。

 「会わなければ、インターネットで一緒に仕事はできないのか?」いろんな意見があるだろう。しかし、今回のイベントは、そのひとつの答えになるかもしれない。10月24日金曜日、東京。今から、その日が待ち遠しくて仕方がない。

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