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【ネット時評】子どもとインターネット――規制よりも新しい教育を(2004/06/21)

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「半数近くの親が、子どもにインターネットを自由に使わせている」。日本PTA全国協議会が保護者を対象に調査した結果だ。佐世保での女児死亡事件をきっかけに、「子どもとインターネット」に関する論評や調査がメディアで大きく取り上げられた。そして私は、それらを目にするたびに、ずっしりと落ち込む。中1、小4、小1の娘たちに、「インターネットを自由に使わせている」張本人だからだ。

■むやみな「規制」は、子どもの可能性を狭める

 佐世保での事件の原因をさぐるにあたり、「チャット」「ホームページ」「掲示板」という言葉がテレビや新聞、週刊誌などマスコミで飛び交った。「ネットに書かれた文章は、受け手によって意味が変わる怖さがある」「日本はインターネット教育が遅れている」など、大学の先生やその筋のプロと言われる人たちが、事件についてコメントしていた。「子どもとインターネット」に関する、冒頭のような調査結果も次々と公開された。

 冷静に事件の経緯を見ればわかるが、現時点で言えるのは「インターネットでのやりとりがきっかけの一つになった可能性がある」程度。特に今回のケースは、実際の社会において、友人としてつきあっている2人の間のこと。交換日記や会話といったネット以外の交流など様々な要素が、何重にも複雑にからみあっていたはずだ。それにもかかわらず、「インターネット」がクローズアップされている。

 ネットに関わる仕事をする者として、また、ひとりの母親として、この状況に不安を感じている。時間とともに事件の報道が減り、「インターネットは子どもに悪影響を与える」という意識だけが人々の心に残ってしまったら……。その結果、インターネットを「どう規制するか」だけが論点になってしまったら……。その「規制」で、インターネットでもたらされるであろうメリット、子どもの限りなき想像を広げるチャンスまでも狭められてしまう。

 今必要なことは、(事件とはいったん切り離した上で)今回の世論の高まりを、「子どもとインターネット」に関して、母親が、教育者が、また社会全体が「考える機会」と捕らえるべきだと私は考えている。

■未来のIT社会を生き抜く「新しい教育」を

 子育てに関して「愛情ある放任主義」がモットーの我が家は、子どもたちに「○○はダメ」と強要しない方針だ。ゲームも、テレビも、漫画も、ビデオも、本人が見たいなら、読みたいなら、禁止も規制もしない。が、彼女たちがそれらから、自分なりに知識を吸収し、自分の判断で適度に付き合えるよう、フォローし見守ることが親の役目だと思っている。

 そしてこれと同じ考え方で、私は、子どもたちに、インターネットを自由に使わせてしまった。正直、その無防備さは、今回の「考える機会」を得て、素直に反省している。しかし、「与えなければ良かった」とは思っていない。長女のキー入力は私よりはるかに速いし、マウスで描く絵は目を見張るものがある。文章を考える力も、当時の私とは比べ物にならない。

 個々の家庭、個々の学校で、教育方針は様々だ。「これが正しい!」というものはない。ただ、言えることは、インターネットに関しては、今までのやり方ではいけないということ。ネットは、ますます社会において、「排除」できないものになっている。これからも我々の生活に浸透していく。そして、子どもたちは、より身近に、より深く関わっていく。さらには、それを生かす力を身につけ、新しいIT社会を作っていかなくてはいけない立場にいる。

 「ネットを知らずに育った大人たち」は、自分たちの既存の尺度で「子どもとインターネット」問題を捉えてはいけない。試行錯誤を繰り返しながらでもいい。「危険なので規制する」のではなく、子どもたちの立場から、未来のIT社会を生き抜くための「新しい教育」を考えていかなくてはいけないのだ。

■さいごに・・・母親の本音

 偉そうなことを書きつつ、「インターネットを自由に使わせてしまっている娘たち」を目の前にして、やっぱり私は悩んでいる。悩みつつ、まずは、娘たちを前に座らせ、今さらながら「インターネットというものは・・・」と話をすることにした。私としては、非常に照れくさかったが、子どもたちはちゃんと聞いてくれた。しかし、話をしたからといって「安心」してはいけない。もちろん「疑う」こともいけない。今までどおり、規制はせずに、「自分で判断して利用できる子に育てるにはどうすればいいか」を考え、愛情を持って見守りたいと思っている。

 最後に、今の心境を五七五にしてみた。

 「カチャカチャの 音が気になる 子ども部屋」

 私の試行錯誤はまだまだ続きそうだ。ふぅ。

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